305:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:32:15.83 ID:UnTjGLwD0
捲ったページはくしゃくしゃになっていた。
何度も何度も書きなぐり、その度に消しゴムで消し。
306:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:32:43.39 ID:UnTjGLwD0
私は、何もできなかった。
春香は、こんなに苦しんでいた。
307:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:33:42.13 ID:UnTjGLwD0
春香の告白は、そこでおしまい。
読み返す気力など欠片もなく、私は日記を閉じた。
308:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:34:31.51 ID:UnTjGLwD0
日記を抱え、ベンチにへたり込む。
私には、春香だけが支えだった。
309:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:35:10.93 ID:UnTjGLwD0
「私……なんて、こと……最低……」
自らを貶す言葉すら満足に吐き出せない。
310:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:36:30.05 ID:UnTjGLwD0
「春香。私、酷いことしたわよね」
電球が切れかかり、ちかちかと点滅する街灯の光。
311:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:37:15.01 ID:UnTjGLwD0
揺らぎは波紋となり、やがてそれは大きな波となる。
どうして?
312:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:38:03.73 ID:UnTjGLwD0
暗闇と点滅の中、私はおぼつかない足取りで当て所もなく歩き続ける。
不安、怒り、悲しみ、疑念、諦観。
313:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:38:31.46 ID:UnTjGLwD0
ふと、街灯が照らす塀の角。
人影が見えた。
314:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:39:36.67 ID:UnTjGLwD0
「春香!」
私は影へ向かって叫ぶ。
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