千早「賽は、投げられた」
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314:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:39:36.67 ID:UnTjGLwD0

「春香!」


私は影へ向かって叫ぶ。


「春香、来てくれたのね!」


見つけた私の声が、意図せず高く跳ね上がる。


ああ、やっと戻ってきてくれた。

ああ、私のところへ帰ってきてくれた!


私は喜び勇んで、影へ向かって声をかける。


「どうしたのよ、春香。そんな隅っこに隠れて」


けれど、影は何も言わず、じっと私の方を見つめている。


「ねえ、春香……どうしたの……?」


影はただ佇み、焦点の合わない視線を私へ向ける。


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