305:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 21:32:15.83 ID:UnTjGLwD0
捲ったページはくしゃくしゃになっていた。
何度も何度も書きなぐり、その度に消しゴムで消し。
感情に任せて紙を握りしめ。
そして、沢山の雫が文字を滲ませ、渇いた跡。
家族に聞こえないように、必死に嗚咽を堪えて震える姿が。
心の中で泣き叫びながら、恐怖と絶望から逃れようとする、壊れそうな姿が見えた。
「っ……」
そのページを見ながら、私は唇の端を強く噛み締める。
少し苦い、鉄の味がする。
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