5:1[saga]
2018/03/20(火) 21:08:08.82 ID:NiGcwUvh0
3.
「何をやってたんですか?」
私は少女が階段から降りてくるのを待って、そう切り出した。私たちは帰るために生徒玄関へ向かう。
6:1[saga]
2018/03/20(火) 21:08:35.49 ID:NiGcwUvh0
4.
「平沢先輩、アイス食べて行きませんか?」
平沢先輩はぎこちなく私の隣を歩いていて、私の言葉を聞いて不思議そうにする。
7:1[saga]
2018/03/20(火) 21:12:13.62 ID:NiGcwUvh0
5.
「アイスがそんなに珍しいですか?」
二段アイスにがっつく平沢先輩を横目に、私はちまちまと山を崩していった。
8:1[saga]
2018/03/20(火) 21:13:10.89 ID:NiGcwUvh0
6.唯side 同日夜
「どうしたの? お姉ちゃん」
「ん、なにが?」
9:1[saga]
2018/03/20(火) 21:14:17.63 ID:NiGcwUvh0
7.梓side 次の日 昼休み
私はお弁当を持って二階の廊下を歩く。入学したばかりの中学校は、とても広く感じた。
「失礼しまーす……」
10:1[saga]
2018/03/20(火) 21:14:55.80 ID:NiGcwUvh0
8.
他愛もない話。どこにでもある日常。
そんな当たり前を、私たちは人の目を逃れて楽しんでいた。
11:1[saga]
2018/03/20(火) 21:19:02.70 ID:NiGcwUvh0
9.
「正直な話、上手く弾けてるとは、自分では思ってます。でもよく言われるんです。お前の演奏はつまらないって」
ドの音にはドの音、レの音にはレの音。じゃあ私の感情には、何の音を出せばいいのだろう。
12:1[saga]
2018/03/20(火) 21:20:11.05 ID:NiGcwUvh0
10.
「ピアノは弾かないよ」
唯先輩はピアノの前に座り、鍵盤を撫でた。謝るように、私に背を向けるように。
13:1[saga]
2018/03/20(火) 21:23:12.45 ID:NiGcwUvh0
11.夕方
「梓ー! お風呂入っちゃいなさいよー!」
「……もうちょっとで行くー」
14:1[saga]
2018/03/20(火) 21:24:28.49 ID:NiGcwUvh0
12.past 憂side
お姉ちゃんがピアノを初めて弾いたのは、4歳の誕生日。お母さんがおもちゃ屋さんで買ってきた、小さなキーボードだった。
お姉ちゃんはそれからキーボードにのめり込んで、ピアノ教室に通うようになるほどにまで熱中していた。
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