14:1[saga]
2018/03/20(火) 21:24:28.49 ID:NiGcwUvh0
12.past 憂side
お姉ちゃんがピアノを初めて弾いたのは、4歳の誕生日。お母さんがおもちゃ屋さんで買ってきた、小さなキーボードだった。
お姉ちゃんはそれからキーボードにのめり込んで、ピアノ教室に通うようになるほどにまで熱中していた。
才能の開花は、突然だった。
私とお姉ちゃんが見に行った、とある音楽系の中学校の学園祭ステージ。変な着ぐるみが踊ったり跳ねたり、とても面白かったけどつまらなかったステージ。
ある時、その場の雰囲気が変わった。
金髪の女の人と、メガネをかけた青い服を着た男の人。
2人の演奏は、お姉ちゃんの人生を変えた。
「その演奏……どうしたの唯ちゃん?!」
「おにいちゃんとおねえちゃんのまねだよ!」
お姉ちゃんは5歳にして地域の中学生以下の部で入賞、8歳で全国ピアノコンクールに出場し、最年少優勝を果たした。
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