296:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:35:04.64 ID:3FrzmiYZ0
「職員室……えっと、その人とは別の話なんですけど、森実さんっていますか?」
「森実……」
297:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:36:33.57 ID:3FrzmiYZ0
【文化祭 2ー6】
「あの、すみません。職員室ってどこにあるかわかりますか?」
298:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:37:04.42 ID:3FrzmiYZ0
その先生──ヒサシ先生は、女の子の姿を視認するとかなり驚いたように目を丸くする。
「東雲、ちょっとコーヒー取ってきてくれないか」
299:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:37:59.00 ID:3FrzmiYZ0
ここに来る途中だって、何一つとして話をしなかった。
私が口下手だってこともあるかもしれないけれど、それはそれとして、だと思う。
「そうか。東雲は胡依と一緒じゃなかったのか?」
300:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:38:27.83 ID:3FrzmiYZ0
「わかった。なら、あいつと会ったら携帯を見るように言っといてくれないか」
「は、はあ……わかりました」
301:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:39:05.00 ID:3FrzmiYZ0
「あ、シノちゃん」
やっぱり、彼女はそこにいた。
302:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:40:05.85 ID:3FrzmiYZ0
「食べ物と飲み物、買ってきましたよ」
「ありがとう」
303:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:40:37.56 ID:3FrzmiYZ0
一瞬にして、彼女の顔から色が失われた。
そして、画面から目を外して、私のことを──私の目をまっすぐ見て、顔を俯かせた。
その一連の仕草は、どうにか平静を保とうと努めているように見えた。
304:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:41:09.76 ID:3FrzmiYZ0
「……もういいよ」
と、部長さんは私の手を止めさせる。
305:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:41:56.83 ID:3FrzmiYZ0
やがて、部長さんは塔屋にもたれて、空に向かって小さく息を吐いた。
「……はあ、駄目だよね。こんなんじゃ」
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