304:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:41:09.76 ID:3FrzmiYZ0
「……もういいよ」
と、部長さんは私の手を止めさせる。
「大丈夫なんですか」
「……うん」
「……本当に、ですか?」
「……このままだと、けっこうよくないこと、考えそう」
「べつに、私は……」
「……じゃあ、お願い」
それからもう少しだけ、部長さんの身体を抱いていた。
身体を離すとき、ありがとう、と微笑まれる。
でも、その微笑みはいつものものとはまるで違っていて、調子を取り戻したようには見えない。
落ちつかなさと遅れてやってきた気恥ずかしさで、私は何も言えなかった。
吹き付けていた風が止んで、だからだろうか、自分の鼓動が彼女にも聞こえてしまってるのではないかと錯覚する。
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