148:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:23:22.05 ID:xutan3/t0
「『放課後も一緒にいたいから部活も同じがいい』とか?」
「放課後も一緒にいたいから部活も同じがいい」
149:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:24:12.92 ID:xutan3/t0
「今月だけでお兄ちゃんに二度も手料理を振る舞っちゃった……」
「じゃあ今度お返しに何か作ろうか?」
150:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:26:08.46 ID:xutan3/t0
【夜更かし】
ここ数日のように、日付を回って少し経ってから自室へと足を運んだ。
151:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:26:59.61 ID:xutan3/t0
「眠れなかったの?」
「うん」
152:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:27:33.05 ID:xutan3/t0
「練習はたくさんしたけど、本番は本番だから……ね?」
「うん」
153:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:28:46.93 ID:xutan3/t0
「なに?」
「緊張。少しでも取れたらいいと思って」
154:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:29:34.36 ID:xutan3/t0
「わたしの周りの人はみんなやさしいし、すごく恵まれてるのもわかってる。
学校に行けば話しかけてくれる友達がいて、家に帰れば気に掛けてくれる家族がいて……でも、それでもわたしはわからなかった」
「……なにを?」
155:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:30:34.47 ID:xutan3/t0
「そんな毎日のなかで一番つらい時間は、夜にベッドに横になって真っ暗な天井を見上げて、
今日のわたしは上手くできてたかな、誰にも迷惑かけてないかな、ちゃんと笑顔を作れてたかな、って一日を振り返る時だった」
「……うん」
156:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:31:13.95 ID:xutan3/t0
「……お兄ちゃん。あのときわたしが言ったこと、覚えてる?」
訥々と続けてきた言葉を止め、彼女は小さく首をかしげる。
ほのかな微笑は強がっているのだろう、手にかかる力がほんの少し強くなる。
157:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:32:02.24 ID:xutan3/t0
「じゃあ、お願いも……覚えてる?」
「うん。……覚えてるよ」
158:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:32:54.09 ID:xutan3/t0
──もし、わたしが"みー"に追いついたらさ。
自分の言ったことは何一つとして覚えていない。
気の利いたことを言ったかもしれない。言わなかったかもしれない。
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