52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:01:08.29 ID:VbrfxfJEo
===2.
さて――百合子をその場に一人残し、春閣下がどこへ向かったかと言えば
事務所からほど近い場所に存在するプロデューサーの家であった。
53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:03:30.73 ID:VbrfxfJEo
「そ、それにしてもプロデューサーさんの家、意外に片付いていますよね。……ふふっ、案外綺麗好きなんですか?
男の人の一人暮らしだから、私、もっとごちゃごちゃしてると思ってた」
そうして彼女はやり場に困る視線を部屋のあちこちに巡らすと、最終的には台所に向かって立つプロデューサーのその背中。
54: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:05:34.51 ID:VbrfxfJEo
カップを両手に携えると――相変わらずののっぺらぼうではあったのだが――男はにこやかな笑顔で振り返った。
刹那、派手に弾け飛ぶ蛍光灯。
55: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:07:11.22 ID:VbrfxfJEo
===
それからおよそ数十分。綺麗サッパリ元通りとまではいかないが、
落ち着いて話ができる状態まで掃除が終わったダイニング。
56: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:08:25.53 ID:VbrfxfJEo
「えぇっと……。恐怖と混沌で支配して、美味しいお菓子を沢山貢いでもらいたいなーって」
「そうそれだ! 恐怖と混沌は一旦脇に置いとくとして……。
世界中が戦争なんか始めた日にゃ、誰もお菓子なんて作ってる余裕は持てないぞ?」
57: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:10:09.74 ID:VbrfxfJEo
「荒廃するって言うことは安心が無くなるってことだ。人は安心無くして生きられない……。
食べ物は取り合いになるだろうし、暴力が無秩序を増長する。そんな時、支配者たる春香に民が望むことと言えば――」
「わ、私に望まれることと言えば?」
58: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:11:31.70 ID:VbrfxfJEo
「春香、よーく聞いてくれ! いつ、どんな時代にも、その時代を象徴する偉大なアーティストってのがいたもんだ。
そんな彼、または彼女たちは時に国を、世界を、世代を、民衆を、
それこそ国境だの人種だのって言うしがらみすら超越して人々の支持をその身に集めることになった!!」
59: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:12:26.70 ID:VbrfxfJEo
「きっと覚醒する前にあったって、潜在的な意識の中では一番良い手段を本能で選んでいたんだなぁ……!
俺は常々春香のそういうアイドルとしての嗅覚と言うか、芯のぶれないところが魅力だと思っていたんだよ!」
「えっ、えっ!? み、魅力的ですか!」
60: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:13:28.40 ID:VbrfxfJEo
とりあえずここまで。
61:名無しNIPPER[sage]
2017/12/13(水) 15:44:50.58 ID:KGszQirlO
しっとぶかいかっかだなぁ
乙
62:名無しNIPPER[sage]
2017/12/13(水) 23:59:01.99 ID:goz1D9Eyo
かわいいじゃないの
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