57: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/13(水) 02:10:09.74 ID:VbrfxfJEo
「荒廃するって言うことは安心が無くなるってことだ。人は安心無くして生きられない……。
食べ物は取り合いになるだろうし、暴力が無秩序を増長する。そんな時、支配者たる春香に民が望むことと言えば――」
「わ、私に望まれることと言えば?」
「事態の収拾、改善、途切れなく持ち込まれるトラブルトラブルトラベルトラブル!
問題を解決するために世界中をひっきりなしに飛び回り、
寝る間も惜しんで仕事して、だけども民衆は理解すらせず不満ばかりを口にする!」
「や、やだぁ……! そ、そんな世界望んじゃいませんよ!」
「だろう? だからこそ世界を支配する手段は合理的かつ効果的に、無茶なく選ばなくちゃならない。……とはいえ、だ」
そこで男は言葉を切り、ニヤリと笑った雰囲気を醸し出した。
心なしかPヘッドの口元に当たる部分にも、皺が寄ったように見えなくもない。
「幸い、春香はその一歩を既に踏み出してる。……分かるか?」
「えっ? 私が踏み出していること……」
プロデューサーに質問され、春香は腕を組むと可愛らしく「むー」と唸って考える。
そうしてしばらくの間首を捻った後、彼女が出したその答えは。
「……お、お菓子作り? ほら! みんなが忙しくなるのなら、自分の分は自分で作る――」
「違ぁーうっ! アイドルだよ、ア・イ・ド・ル!!」
「ア、アイドル!?」
「765プロ所属の天海春香! 見ろ!」
プロデューサーが床に落ちていた週刊雑誌を拾い上げ
――春香が表紙を飾っていたあの本だ――彼女の眼前に付きつける。
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