41: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:16:07.00 ID:UZlyT6fxo
ごくり、と百合子の喉が鳴る。まるでお預けをくった犬のように体がピクリと揺れ動き、
ざらざらと渇いている舌先が、口内で蛇のようにのたうちながら己の犬歯を舐めあげる――と、ここで百合子は気がついた。
鋭く尖ったこの牙は、目の前の女性からの贈り物……。
42: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:19:32.77 ID:UZlyT6fxo
そしてさらには口に含みたい。その鉄くさい匂いが嫌でも五感を刺激して、
味わわずにはいられないと百合子の本能に思わせた。思わせるだけの妖しい魅力があったのだ。
現に今の百合子の頬はだらしなく緩み、息は荒く、口も半開きのまま呆けている。
43: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:22:31.79 ID:UZlyT6fxo
終わりの見えない根競べ……そのうち、である。
我慢も限界に来たのだろう。崩れ落ちそうになる膝に力を込める為に百合子は腿を擦り合わせ、
両手で肩を抱くように身を縮こまらせると「はっ、はっ、はっ」と荒い吐息を繰り返すだけの生き物になった。
44:名無しNIPPER[sage]
2017/12/12(火) 12:25:05.45 ID:D7n5UxrA0
許可する!
45:名無しNIPPER[sage]
2017/12/12(火) 12:29:19.27 ID:1/hQ4VPVO
許可する
暴走されてもたまらんしな
46: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:46:58.60 ID:UZlyT6fxo
待ちに待っていた瞬間(とき)が来た。
春香の赤い唇から「口を開けよ」と命が下る――までもなく、
百合子の口穴は涎れに潤んでその入り口を開いていた。しかし、指示されたならばこなすもの。
47: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:50:41.75 ID:UZlyT6fxo
「それが約束できると言うのならば……私の血がついたこの人差し指。そう、この指を百合子ちゃんの口に入れてあげる」
「はる、かさんの……ゆび……血のついた、……指……」
48: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:52:26.02 ID:UZlyT6fxo
「やだ、この子ったら赤ちゃんみたいにお漏らしして」
「す、すみみゃ……ん、ちゅっ♪ ……へん。へもほまれ、ほまらはふへ……!」
49: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:53:48.51 ID:UZlyT6fxo
「もう少しだけ味わわせてあげる……でも、今度はもっと乱暴に。
次はアナタの飢えじゃなくて、私に怯える姿を見せて頂戴」
「怯える……すが、た……?」
50: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:54:32.24 ID:UZlyT6fxo
===
「――どう? 渇きは癒えたかしら?」
「……はい。……ありがとう、ございます」
51: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/12(火) 12:57:18.28 ID:UZlyT6fxo
今回の選択は【・許可する!】でした。ご参加ありがとうございます。
では、とりあえずここまで。
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