13:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:42:58.80 ID:n8reEq6Z0
国立新美術館。
「新進気鋭のアーティストたちが送る驚異の技巧工芸展」。
14:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:45:27.51 ID:n8reEq6Z0
彼女はどれだけ成長したことだろう。俺のいない間に何を知り何を学んできたのだろう。
彼女は何を生み出してきたのだろう。彼女の作品は何を訴えかけてくるのだろう。
女性の思い出は上書き可能らしい。であるならば俺のことなどとうに忘れているのだろうか。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:47:34.51 ID:n8reEq6Z0
「――。」
驚愕。
16:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:49:34.17 ID:n8reEq6Z0
「このおちょこには、元となる試作品があるんです」
「その、"ぷろとたいぷ"っていうんでしょうか」
17:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:51:18.64 ID:n8reEq6Z0
「今は……とある人に差し上げました」
一拍。
18:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:53:11.82 ID:n8reEq6Z0
「ちょっと」「おい」「押すなや」
すまねえ。すまねえ。通してくれ。
19:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:54:46.56 ID:n8reEq6Z0
すかさず学芸員さんが飛んできた。本職のSPばりのスピーディーな動きだ。
今度はさすがに容赦がない。俺はずるずると警備員さんに引き渡された。
両腕を掴まれてまるっきり犯罪者のていでスタッフルームに連れて行かれる。
20:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:56:47.71 ID:n8reEq6Z0
「……お久しぶりです。"プロデューサーさん"」
懐かしい響きに胸が熱くなった。
21:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:57:44.75 ID:n8reEq6Z0
―――
――
22:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 20:59:50.95 ID:n8reEq6Z0
辞めた。
やめだやめだ。契約破棄だ。
23:名無しNIPPER[saga]
2017/12/01(金) 21:01:31.86 ID:n8reEq6Z0
風は無風。ときおり暖かい微風が頬をなでる程度。
りーりーとなにかの虫の鳴き声がする。なんて虫でしょうねと二人語り合う。
俺は太郎坊を持ち上げた。手酌で熱燗を入れようとする。
28Res/29.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20