20:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:10:45.56 ID:AW4FyFFm0
はらわたが煮えくり返る思いだったが、もはや無視することはできなかった。
最終的に俺は交渉に応じることにした。
黒服に囲まれた事務所の一室、いかにもという面をした組長(会長?)を前に、俺は粛々と彼等の話を聞いていた。
21:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:12:20.83 ID:AW4FyFFm0
いや、お前が辞めても状況はよくならないのでは?
確かにその通り。俺が辞めても何も変わらない。
有香がアイドルとして活躍すればするほど、蛇老会の魔の手はより激しく彼女に襲いかかることだろう。
22:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:14:01.09 ID:AW4FyFFm0
……結局、俺は肝心なことは何一つ言わなかった。
実家の都合で郷里に戻らざるをえなくなったこと、長男に代わって親父の跡を継ぐ意思を固めたことなど、
数々の嘘をでっち上げてその場その場を取り繕った。
23:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:16:21.61 ID:AW4FyFFm0
――
さて。
24:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:18:11.39 ID:AW4FyFFm0
二分。
意外とかかった。
25:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:19:58.74 ID:AW4FyFFm0
"天青仰掌"。
"曇天看破"。
"霖天翻身"。
"雷天脱兎"。
26:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:21:24.69 ID:AW4FyFFm0
バイキルトには必ず一ターン必要だ。チャージをするにも時間がかかる。
そしてバフ技の詠唱時は必然的に無防備になってしまう。都合のいい技はゲームの中でも存在しない。
"万天響命"も例外ではない。
27:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:23:48.00 ID:AW4FyFFm0
丸眼鏡の両腕が、あたかも二匹の蛇のように襲いかかってくる。
翻す。受け流す。俺の体には当たらない。
再び打突が繰り出される。一見無造作に放たれるそれらはしかし正確に俺の勁口を捉えていた。
28:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:25:43.58 ID:AW4FyFFm0
目にも止まらぬ縦横無尽の天連撃。
ひとつひとつが致命傷となる恐るべき攻勢に晒される。
そうやすやすと当たってたまるかよ。俺は両腕に内勁をそそぎ込む。
29:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:27:26.57 ID:AW4FyFFm0
「無様だな」
悪役っぽいセリフ。普段の声は結構高い。
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