27:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:23:48.00 ID:AW4FyFFm0
丸眼鏡の両腕が、あたかも二匹の蛇のように襲いかかってくる。
翻す。受け流す。俺の体には当たらない。
再び打突が繰り出される。一見無造作に放たれるそれらはしかし正確に俺の勁口を捉えていた。
一撃でも喰らえば内勁が乱され体が動かなくなってしまうだろう。
間断なく放たれる正確無比の乱撃に、俺は防戦一方を強いられた。
回避するだけで精一杯だ。相手はあまりにも速く、あまりにも強い。
"雷天脱兎"、使えない。
自ら袋小路に入り込んでしまった手前、ここから逃げ出すのは至難の業だ。
それに同門である丸眼鏡がこの技の存在を知らないとは思えない。
足下に勁をためこもうものなら次の瞬間俺の体は傀儡と化しているだろう。
つまり闘う以外の選択肢は、俺には残されていない。
油断だった、慢心していた。
一人でもいけると思い込んでいた。
結局俺は、俺つえーがしたかったのか。
ヒーローになってみんなにほめたたえられたかったのか。
「シィッ!」
内息とともに丸眼鏡がひときわ大きく腰を落とす。
丸眼鏡を中心に外勁がドーム状に広がっていくのがわかった。
俺の体を巻き込んで、なおドームはその規模を増していく。
勁をあたかもフェイズドアレイレーダーのように使う技。
完全に全身を補足されている。まずい。
"曇天看破"。
59Res/64.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20