20:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:10:45.56 ID:AW4FyFFm0
はらわたが煮えくり返る思いだったが、もはや無視することはできなかった。
最終的に俺は交渉に応じることにした。
黒服に囲まれた事務所の一室、いかにもという面をした組長(会長?)を前に、俺は粛々と彼等の話を聞いていた。
"曇天看破"の絶好の使いどころだったが、そこはぐっと我慢した。
彼等の要求を要約するとこうだ。
プロデューサーを辞めろ。それだけだ。
彼等にとってどこまでも頑なな俺の存在は邪魔でしかなかったのだろう。
他のプロデューサーであればいくらでも籠絡できる。札束でも見せればころりと落ちる。ハニートラップをしかけるのでも構わない。
実際他の事務所では、そういう手段で丸め込まれた奴が何人もいると聞いたことがある。
つまり俺でなければいい。おまえがいなくなればいい。
そうすれば中野有香も"悪くはしない"。彼等はそう言ってきたのだ。
「わかった」
俺は短く答えた。
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