19:名無しNIPPER[saga]
2017/11/13(月) 19:08:23.43 ID:AW4FyFFm0
芸能界がその筋の人々とつながりがあることは前々から知っていた。
互いに蜜月の関係にあることも。それらがいかがわしい意味を持つことも。
中野有香はそんな輩に目を付けられた。
ここ数年のめざましい活躍により、彼女の影響力はいまや無視できないものとなっていた。
そんな彼女をかどかわす不逞の輩が一人や二人いたところでいまさら何の不思議もないだろう。
しかし、今回ばかりは相手が悪かった。
関東最大規模の暴力団、○○組(名前は伏せる)。そのOBで構成される蛇老会が彼女をマークし始めたのだ。
彼等は"援助"という巧みな言葉をひっさげて俺たちに近づいてきた。
蛇老会のバックアップにより、いかに俺たちが利益を被るか、アイドルをしていく上で有利に働くか、
芸能界にコネが効くか、彼等は甘い言葉でもって幾度となく誘惑を重ねてきた。
もちろんすべて突っぱねた。ふざけるなといってやった。
中野有香は正々堂々とアイドルをやっている。カワイイを目指し、最強を求めて闘っている。
何が援助だ。蛇老会だ。侮辱もいいところだ。俺は片時も耳を貸すことはなかった。
すると彼等の態度は急変した。
一転して強い言葉で迫ってくるようになったのだ。
脅しに屈するような俺ではない。来るなら天を仰がせてやるまでだ。
俺は一貫して毅然とした態度を貫いた。しかし、おそらくそれが彼等の逆鱗に触れてしまったのだろう。
ある日、俺の部屋に写真の束が送られてきた。
無造作にポストに投函されたそれには、有香の実家や彼女の通う学校、
神誠道場の内部に事務所のロッカー、レッスン場そして、
彼女の自室が写っていた。
つまりそれは。
"ここまでできるんだぜ"という合図だった。
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