2:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:13:05.88 ID:bD1QFtux0
あたしはたまに夢を見る。
3:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:13:45.93 ID:bD1QFtux0
4:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:15:29.77 ID:bD1QFtux0
一時間前まで和風アイドルだったあたしは今、シャツに半ズボンと少年の様ないでたちに早変わり(ホットパンツなんて色気づいたもんではなかった)。
「んじゃーまー無事務めさせていただきましたー。関係者一同カンパーイ」
乾杯の時はグラスを触れさせない、との師の教えに従うのだ。
5:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:16:27.50 ID:bD1QFtux0
「まったく、先方も許してくれたからよかったようなものの――」
「ある程度予想してくれてたんでしょ? あたしが何か言い出さないかって」
自惚れ気味な予想はあたっていたみたい。ネクタイを緩め、グラスに口付けるその仕草が、一呼吸分止まった。
6:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:17:55.57 ID:bD1QFtux0
「それじゃ、乾杯も済んだことだし……」
半分ほど残ったグラスを置いて、Pさんはおもむろに切り出す。
「なになに? ごほーびならあたしほしーモノが」
7:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:19:06.01 ID:bD1QFtux0
「おー、さすがは敏腕プロデューサーさまだー」
「当たり前だ。一番のファンは俺なんだから気付くにきまってるだろう」
「…………」
8:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:20:12.40 ID:bD1QFtux0
「ジン……ウォッカ? あとは、ラムとか?」
「テキーラとかもあるな」
すべてまるで御伽話の飲み物のことのように遠く感じる。
9:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:21:41.50 ID:bD1QFtux0
「言っただろ、それだけじゃないってのはソコなんだ。酔っぱらって、心が軽くなって、本心が出せる」
(今まさにそういう状態ってコトか)
「んー、つまり心情的に自由になれるってこと?」
10:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:23:13.32 ID:bD1QFtux0
「――今日はずっとヘンだったが、今も変だな、周子」
「……ヘンじゃないどすー、ヘンなのはいつものことどすー」
Pさんは少し緩んでいた顔を難しげにした。今日これまでの出来事を振り返り、シューコのご機嫌ナナメな訳を探っているに違いない。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:23:43.95 ID:bD1QFtux0
いよいよ剣呑な表情になった彼をあたしは色っぽいと思う。いつもそんな顔すりゃモテるのに。あたしはいやだけど。
「家を追い出されず、それかPさんと出逢わず、あるいはあたしがその気にならず……」
そのあたりかな、可能性としては。
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