8:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:20:12.40 ID:bD1QFtux0
「ジン……ウォッカ? あとは、ラムとか?」
「テキーラとかもあるな」
すべてまるで御伽話の飲み物のことのように遠く感じる。
あたしには見た感じビールとそれ以外の違いくらいしか分からない。居酒屋でバイトでもしてたら別だろうけど。
「で、おいしいの?」
「うーむ。人による、というか」
「『だったら一口』なんて言わないからさ、気遣いは無用だよ?」
あたしらティーンの明確なビハインド。
「Pさんに限らずさ、ウチの大人ってみいんなお酒好きだよね。やっぱりおいしいのかな、おいしいんだろうね」
それを聞いた彼は、今一度、手にした飲み物を口に含む。
まるで、本当にソレが好きなのか、確かめるように。
「……そうだな、おいしい。ただ、好きな理由はそれだけじゃないんじゃないかな――お酒を飲むと、どうなると思う?」
「どうって――」
あんまりにも抽象的な問いかけに、単純なことしか答えられない。しょーがないよ飲んだことなんか無いんだし。
「酔っぱらう?」
「正解」
「――もったいぶらんといてぇそんな答え」
ゲンナリしたあたしを見透かしたような顔で迎撃する。
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