モバP「酸っぱいぶどう」
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5:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:16:27.50 ID:bD1QFtux0
「まったく、先方も許してくれたからよかったようなものの――」

「ある程度予想してくれてたんでしょ? あたしが何か言い出さないかって」

 自惚れ気味な予想はあたっていたみたい。ネクタイを緩め、グラスに口付けるその仕草が、一呼吸分止まった。

 そのくらいの隠し事を見抜ける付き合いはしてきたつもりだった。

「まさか」 

 ふぅん。

 そのくらい隠さなくていいのにという付き合いもしてきたつもりだったけれど。

「ふーん」

 あたしは知っている。Pさんが、先方と一緒の打ち上げを断りに行っていた時、向こうの代表がホッとした顔をしたのを。

 きっとあたしは、扱いにくいのだろう。自分でも思う。反応とか色々薄くて、捉えどころがなくて、されど無碍にはし辛い立場にあって。

 この物好きに拾われていなかったらどうなっていただろう、という何気ない想いが勝手に、今朝の夢にまで扉を繋げてしまう。

 あたしはすこぶるブルーになる、なんて偶然の産物のライムも少しも面白く思えない。というか既に何処かの誰かが言ったネタのような気もするし。



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