4:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:15:29.77 ID:bD1QFtux0
一時間前まで和風アイドルだったあたしは今、シャツに半ズボンと少年の様ないでたちに早変わり(ホットパンツなんて色気づいたもんではなかった)。
「んじゃーまー無事務めさせていただきましたー。関係者一同カンパーイ」
乾杯の時はグラスを触れさせない、との師の教えに従うのだ。
「かんぱーい、って一同って二人だろうに」
和菓子、じゃなかった我が師Pさんは呆れ声。
恙(つつが)無く仕事が終わったんだからもっと嬉しそうにすればいいのに。
「んふふー、あたしも我がまま通る様になったねー、よろしおすなぁ」
打ち上げも兼ねた晩御飯で、おねがいお願いってせがんで連れてきてもらったバー。
新進気鋭、ってので、女子総合誌からオジサン向けグルメ雑誌にも載ってる大ちゅーもく店、とのこと。
フードはおつまみみたいのばっかりでガッツリ晩御飯っていうには程遠いけどね。
ちなみに、まだ時間は早い方だから割と席は空いていたけど、マスターは常連みたいな人の相手で忙しそうだった。
カウンターはシューコちゃんにはまだ早いのでテーブル席で、器だけはいっぱしのジュースを口に含みながら薄暗い店内を見渡す。
薄暗くて、ジャズが掛ってて、レンガ調の壁にはレコードのジャケット――刈り込んだ黒人がラッパ吹いてるヤツ。
突き出し? が浅漬けだったってのはちょっと珍しいかも(マスターの京野菜アピールを添えて)。
ただ――正直、どこのお店も大体一緒に見えてしまうのは、あたしの審美眼が有るからか無いからか。
京都産ってだけで有難がられるのは飲食もアイドルも一緒らしい。いやだけじゃないけれども。
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