6:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:17:55.57 ID:bD1QFtux0
「それじゃ、乾杯も済んだことだし……」
半分ほど残ったグラスを置いて、Pさんはおもむろに切り出す。
「なになに? ごほーびならあたしほしーモノが」
「反省会だ」
――はん、せい、かい?
「ああ……『塩見シューコの反省会』と題してMCシューコが反省という言葉とはおよそ縁遠いゲストをお招きしその所業をつまびらかにして是非を問う視聴者参加型番組のオファーでもあったん?」
「面白そうだなソレ……今度企画挙げてみる」
シューコ、有能。
「じゃあ記念すべき第一回目は、塩見周子さんだな。今日、手抜いてただろ」
シューコ、無能。
「い、……いやいやー、一回もNG出さなかったし、現場も笑顔が絶えなかったし、お店さんもお菓子持たせてくれたし、ゆーこと無かったんじゃない?」
歯切れ悪いのが自分でも分かる。ちくしょう、いやにすんなりサシに応じたのはこのためか。
「俺も、ちょっと厳しめのこと言ってるとは思う。実際、周子の言う通り今日の撮影はそつなくこなしてたし、細かいミスは編集で間に合う範囲だ。調子、気分の良しあしってのもあるだろう」
くそみそに貶されていないトーンが逆に恐ろしい。
「だから、念のための注意だ。今日の調子を基準にはしないでくれ――目の肥えた、熱心なファンほどすぐに気付く」
「……Pさんはいつ気付いたの?」
暗に認めたうえで聞く。
即答される。
「今朝、最初に顔見た時だ。今日、大丈夫かなって」
今朝、ね。ドンピシャ。
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