モバP「酸っぱいぶどう」
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/10/15(日) 16:13:05.88 ID:bD1QFtux0




 あたしはたまに夢を見る。

 全てが夢だった夢。アイドルも何もかもが幻で。

 幼稚な家出は二十日ともたず、毎朝変わり映えの無い実家の天井を眺めて

 あるいは、幼稚なハズの家出を拗らせ、毎朝違う男の隣で 






「――――――――――――――――、――――――――――――」





 決まってそこらで目が覚める。

 今朝もそう。自称低血圧が、一瞬で目を醒ます。

 冷汗びっしょり、動機や息切れ、咳に嗚咽の諸症状。

 そーゆー時にかぎって、特効薬は傍にない。
 
「……必要な時に居るのが仕事でしょーに」

 理不尽極まる言い草には、流石にあたしも苦笑い。



 ただ、いつもと一味違うのは、今見えてるのがホントに実家の天井だったってこと。

 地元での仕事だったから、里帰りしてたってワケ。うーん、塩見周子故郷に錦飾りすぎ問題?

 だから逆に言えば、夢がホントに夢なのか確かめるにはまだ確証が持てなくて。

 ケータイひっつかんで、メッセージを探して。

 タップが少しうまくいかなかったのが、なんだか怯えてるみたいで自分に腹立って。


 ――そっと、薄い胸を撫で下ろす自分がいた。






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