2: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:41:49.18 ID:7+Q2lD4p0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
20〇×年10月27日
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今日は会う人みんながお祝いの言葉を送ってくれます。
3: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:43:28.07 ID:7+Q2lD4p0
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
20〇×年11月24日
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
前回から随分と間が空いてしまいました。
4: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:44:36.70 ID:7+Q2lD4p0
私の誕生日会のメンバーは私、Pさん、早苗さん、川島さん、友紀さん、楓さん、そして、美波さん。
ローテーブルを囲んだ皆さんによる、有難くも温かいお祝いの歌の合唱で誕生日会が幕を開けました。
ですが、穏やかに過ぎたのは最初の十分ほどだけ。
それからは真の目的である、先輩方による飲酒講座…という名の飲み会の幕が上がりました。
開幕の宣言と同時に私の眼前に並んだのは、お酒好きな4人の年上の先輩方がめいめいにお酒を注いでくださったグラスが4つ。
5: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:46:02.56 ID:7+Q2lD4p0
そのように、当時の私としては、愉しいひと時を噛みしめているところで声を掛けられました。
美波さんでした。
どうやら美波さんも私がお酒に苦戦していたことに気付いたらしく“これなら飲みやすいかも”と、別のグラスを差し出してきてくれたのです。
6: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:47:56.81 ID:7+Q2lD4p0
言われるままにベッドに入り込んだ私でしたが、決して不承不承ではなかったことは認めなくてはいけません。
降って湧いた異常な状況に、困惑だけでなく不思議な高翌揚感を覚えていたのですから。
毛布に包まれると、毛布とマットレスに滲み込んだPさんの体臭のせいで、まるで前後からPさんに抱きしめられているかのような心地でした。
薄く残った洗剤の香りの他に、汗と皮脂と、そして、男臭さとしか説明不可能な匂いが混在していて…。
7: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:51:56.92 ID:7+Q2lD4p0
数分で議論は決着したようでした。
一体どちらになったのか?
毛布から覗くと、両脇を美波さんと友紀さんに抱えられたPさんが、こちらへ近づいてくるのが見えました。
8: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:53:36.49 ID:7+Q2lD4p0
“ありがとうございます、ごめんなさい” という虫の羽音のような言葉は、それでも尚、Pさんの耳朶に届いたようでした。
“すまない、文香。せっかくの誕生日がこんなことになってしまって”
Pさんが庇ってくれなければ、おそらくはもっと酷いことになっていたのに。
9: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:55:45.45 ID:7+Q2lD4p0
しばらく何も言えないでいると“文香、じっと顔を見られていると、恥ずかしい”と言われてしまいました。
ひょっとしたら頭がぼーっとしていた所為で、不躾な視線を送っていたのかもしれません。
私は慌てて横向き寝の状態から、Pさんと同じように仰向きになりました。
そのときです。
10: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:58:01.71 ID:7+Q2lD4p0
テーブルの方で響いたガラスの音が終わりの合図でした。
何事かとPさんと二人して首を上げて様子を伺います。
どうやら美波さんがテーブルの上でグラスを倒してしまったらしく、皆さんが酒宴そっちのけで処置のために慌てていました。
とはいえ、その慌ただしさはすぐに収まりました。グラスも割れませんでしたし、皆さん手慣れていましたから。
11: ◆FVs4HrY/KQ
2017/10/06(金) 20:59:47.15 ID:7+Q2lD4p0
寝入ったときの姿勢そのままに目を覚ましました。
寝入る前のどんちゃん騒ぎが嘘だったように静まり返り、天井の照明器具が仄かな橙を灯すばかりで、目先の毛布の色さえ判然としません。
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