52: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:35:52.84 ID:AUPcYDZ90
塞がちらりとシロに目配せする。
塞の視線を受け、小さく頷くシロ。
それを受け、塞が言う。
53: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:36:46.00 ID:AUPcYDZ90
塞「ええ? 胡桃も?」
胡桃「ごめん。私、進路指導の先生に呼ばれてたの忘れてた。帰りに指導室に顔だせって言われたんだった」
54: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:38:31.33 ID:AUPcYDZ90
外に出ると、すでに豊音の後ろ姿は小さくなっていた。
私も歩調を速めるが、私と豊音では歩幅が違いすぎて、ただでさえ開いていた距離があっという間に広がっていく。
55: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:39:27.26 ID:AUPcYDZ90
外履きのまま走っていくのだから、校内に用がないのは確か。
そして、学校の敷地内の屋外で、豊音が行きそうな場所となると、私にはひとつしか思い当たる場所がない。
56: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:40:51.68 ID:AUPcYDZ90
見たままつけた名前、というわけではないのだと思う。
我らが先鋒さまを意識しての命名なのは、名を呼ぶ豊音の楽しげな顔を見れば明白だった。
57: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:41:43.53 ID:AUPcYDZ90
だから豊音は、ここに一人で来ることにした。
ひとり遊びに慣れた身の気軽さで、さっさとここへやって来てしまった。
58: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:43:17.47 ID:AUPcYDZ90
それを口に出してくれればシロをからかうネタにでもしてやったのに、豊音は一人で空想することを、一人で猫を弄って遊ぶことを選んでしまう。
もちろん、五人でいるからといって、常に全員で協調しなければいけない決まりなんてない。
59: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:44:00.75 ID:AUPcYDZ90
胡桃「確かに、それっぽいよね」
豊音「え?」
60: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:44:43.14 ID:AUPcYDZ90
豊音が内に篭り、胸に秘めてしまった何かを、目につく限り、ひとつでも多く拾いあげる。
それくらいしか、私にできることはない。
今になって、塞とシロが二人をべったり甘やかす気持ちがわかった気がした。
61: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:45:59.61 ID:AUPcYDZ90
胡桃「……ん?」
途中、ふとした瞬間、私たちの歩幅が合っていることに気づいた。
62: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:46:32.96 ID:AUPcYDZ90
以上で終了です
ありがとうございました
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