58: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:43:17.47 ID:AUPcYDZ90
それを口に出してくれればシロをからかうネタにでもしてやったのに、豊音は一人で空想することを、一人で猫を弄って遊ぶことを選んでしまう。
もちろん、五人でいるからといって、常に全員で協調しなければいけない決まりなんてない。
たとえばシロの奴は教室でも部活でも、あのマイペースな姿勢を崩さない。
シロに関してはそれでいい。
地元が同じだし、いまさら縁が切れるとも思えない関係だから、好きにすればいいと思える。
けれど豊音に関してはそうはいかない。
豊音とエイちゃんに関しては、時間がないのだ。
さきほどの、三年生が去った運動部の様子を思い出す。
別の方向を向いていても、それでいいと思えるほど、私たち五人がセットでいられる時間は長くはない。
となれば豊音を、こちら側に引き寄せる努力を、惜しまずにはいられない。
私は豊音の横にしゃがみ込んだ。
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