61: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:45:59.61 ID:AUPcYDZ90
胡桃「……ん?」
途中、ふとした瞬間、私たちの歩幅が合っていることに気づいた。
私は普通に歩いているだけなのに。
胡桃「……ふふ」
うまく笑いを噛み殺し切れなかった。
いつからだろう?
おそらく、出会った当初からだ。
豊音と並んで歩いた場面を思い起こしてみても、特に辛いと感じた記憶はない。
少し駆け足になった覚えならある。
しかし少なくとも、豊音が先ほどのように、まったくついていけない速さで先に行ってしまうことは一度もなかった。
豊音「なにー? なんで笑ってるのー?」
胡桃「なんでもない」
豊音「ええ? なにー? 教えてよー」
胡桃「なんでもないったら」
もどかしげに、しかしどこか楽しそうに、豊音は私を見下ろす。
私は豊音から視線を外し、口元を隠した。
私が一人で笑う理由は、豊音には教えないでおこう。
槓
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