60: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/25(月) 19:44:43.14 ID:AUPcYDZ90
豊音が内に篭り、胸に秘めてしまった何かを、目につく限り、ひとつでも多く拾いあげる。
それくらいしか、私にできることはない。
今になって、塞とシロが二人をべったり甘やかす気持ちがわかった気がした。
時間がないなら思い切り優しくしてしまえばいいというのも、わからなくはない。
胡桃「さあ、今日もおなか触らせてもらうからね!」
「ミャウ?」
豊音「もう私たちなしじゃ生きられない体にしてあげるんだからー」
それから私たちは、マッサージに飽きたシロ猫が去るまでの間を、その場で過ごした。
眼が慣れていたために意識していなかったが、気づけば辺りは完全に暗くなっていた。
校内から僅かに感じられた人の気配が、もうほとんど絶えてしまっている。
胡桃「帰ろうか」
豊音「うん」
豊音とふたり、今度こそ家路に着く。
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