21: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:22:24.30 ID:qeoTwk+V0
***
「追われてますよ! どんどん近づいてくるッ!」
22: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:23:08.79 ID:qeoTwk+V0
「「プロデューサーさん!」」
そのとき、雪乃と智絵里の呼ぶ声が聞こえた。
聞きなじみのある心地よい声だ、と彼は思った。
23: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:23:48.45 ID:qeoTwk+V0
「いやぁ、今日は大変申し訳なかった。原因究明ののち、必ずや取材を再び行おう」
「いえ、そちらも大変でしたね。取材は、やはり十分にはできませんでしたか」
24: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:24:33.06 ID:qeoTwk+V0
「わかりました。では、今、調整いたしましょう」
「うむ、よろしく頼む。それでは、乗りたまえ」
25: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:25:09.44 ID:qeoTwk+V0
***
「あそこにいた! 時速五十キロぐらいで走ってます!」
26: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:25:59.20 ID:qeoTwk+V0
バスに近づいたところ、ちょうど添乗員が出てきた。
「あ、あのっ、バスの中に黒い小さな紙袋が、ありませんでしたか?」
27: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:26:38.16 ID:qeoTwk+V0
バスの天井の上から、幼児ほどもあろうかという影が跳び、二人が声をあげる間もなく、添乗員の手からまゆのプレゼントを奪い去った。
「キキーッ!」
ひどく機嫌の良さそうな上ずった声で鳴くそれは、都内のこんなところには全く似つかわしくない猿であった。
28: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:27:15.10 ID:qeoTwk+V0
「ぬぐぐぐ……」
アイドルとしてはいささか荒っぽい悔恨を表す。
しかし、やはり次の瞬間には、まゆは駆け出していた。
29: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:27:46.10 ID:qeoTwk+V0
***
「あのバスです!」
30: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:28:25.91 ID:qeoTwk+V0
いつの間にかやり取りを後ろで聞いていた支配人が、すぐに電話をかける。
どうやら部隊に指示を出しているようだ。
(それにしても気になるな……)
31: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:30:00.94 ID:qeoTwk+V0
***
「まゆのです!」
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