69:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:06:04.39 ID:xy6mxyet0
「とりあえず、明日は柱島泊地人事部にこの事を打電しよう。このケッコン指輪を早く持ち主のとこに返してあげなければ」
「だね。でも、こんな大切なものを忘れるなんて、ちょっと変かも」
「いや、急用とか重用任務があってすぐさま異動だったのかもしれないよ。因みに他のたんすや引き出しはお前が来たときは空だった?」
「うん、空っぽ」
「じゃあそう言う事さ。引き出しの鍵がベッドから落ちてきたという事はその時は見つけられなかったって訳。
70:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:07:21.82 ID:xy6mxyet0
翌朝、テーブルを囲んで妹と五月雨と一緒にシリアルとシーザーサラダを食べていると、妹が五月雨に昨夜の話をしはじめた。
……ってお前から切り出したら私らの関係を怪しまれるだろ……。
「そういえばさ、私、昨夜に部屋ですっごいの見つけちゃったの」
「そうなの? それって??」
71:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:08:12.90 ID:xy6mxyet0
その言葉と、同時に北上から出されたケッコン指輪の小箱を見て、五月雨は口に手をあて驚いた表情をした。
そして、驚きからか少々固まっている。
「どしたの? 五月雨ちゃん、すごい驚いてるけど。やっぱりすごい発見だよね〜。こんなのそうそうある事じゃないし」
「あ、うん、これはすごい驚いちゃうよ……ぜんぜん予想できなかった……」
「そりゃそうだよ〜。私は昨日のうちに司令にも報告しておいたけど、すごく驚いてた」
72:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:08:53.46 ID:xy6mxyet0
五月雨は頬を赤めてそう言った。
恥ずかしそうにする態度に私は思わず「かわいい」と小さく呟いてしまった。
よく分からない理由ではあるが、まぁ、少しくらいは貸してあげてもよいだろう。
「そ、そうか。午後には柱島に連絡するから、昼食頃には返してほしい」
私はそう言って、五月雨に指輪や手紙が入った小箱を渡したのであった。
73:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:09:48.02 ID:xy6mxyet0
その日の午前中は、五月雨は欠番であり、妹は北上として隣島の竹ヶ島泊地の軽巡の子と一対一の演習をしていた。
私は桟橋に行って、双眼鏡を片手に演習を見守る。
北東に二海里の地点で、妹の北上と軽巡名取が砲撃戦を展開していた。
向こうの泊地の名取も新人なのか若干足取りがおぼつかない様子であった。
74:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:10:42.12 ID:xy6mxyet0
と、私の後ろで聞き覚えのあるハスケィボイス。
「吹雪の指輪、見つけたそうですね」
明石中佐であった。
「ああ、昨日の夜、北上が見つけてくれた」
「そうですかい。まさか、まだ部屋にあるとは……」
75:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:11:48.34 ID:xy6mxyet0
「中佐は、どこかのアニメ映画の女性整備士に似ている……」
私は前を向きながら、そうぽつりと口にした。
「……女の整備士は初めてかい?」
「……いえ、前にもどこかで」
お互いに微笑。
76:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:12:31.18 ID:xy6mxyet0
妹と名取の演習が終わり、私は一足先に司令部庁舎に戻っていた。
ちょうど、二階に上がったとき、奥の自室へと向かっていた五月雨が見えた。
五月雨は私に気付いてあわてて振り返ると、つまずき、転んだ。
ドジすぎないか。でもそんなとこでドジをするのが五月雨なのである。
77:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:13:13.14 ID:xy6mxyet0
「五月雨、大丈夫か。何かすごいすりむいたみたいだけど……」
「あ、いえ、大丈夫です! こんなの入渠すればほほいのほいですから!」
そういうと、五月雨はいそいそと、階段を降りて入渠施設へと走っていった。
「あ、五月雨ちゃんただいま〜。あれ、スカートに血ついてるけど大丈夫??」
「う、うん、大丈夫! 今から入渠してしてくるから!」
78:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:14:12.77 ID:xy6mxyet0
それから十五分くらいして、司令室をノックする音が。
「どうぞ」
「五月雨です! しつれいしますね」
そう言って五月雨が部屋に入ってくる。
79:名無しNIPPER
2017/08/08(火) 23:14:41.15 ID:xy6mxyet0
と、「北上入るよ〜」の声とともに、こんどは妹が司令室に入ってきた。
「あ、五月雨ちゃんも来てたんだ〜。司令官、机の引き出しに入ってた吹雪ちゃんのもの持ってきたよ〜」
そう言って、妹は紙袋を私の執務机の上に置く。
「そういえば、私も吹雪さんのケッコン指輪返しにきました! 司令官、ありがとうございます!」
北上に続き、五月雨もスカートのポケットからケッコン指輪の小箱を私に差し出した。
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