33: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:37:36.70 ID:W2SDnvMcO
「うん、昔の志希ちゃんじゃ信じられなかったかも。まさかアイドルになって、フレちゃん達みたいなお友達も出来るなんて」
「フレちゃん…宮本フレデリカ、さん」
宮本フレデリカ。
34: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:38:27.06 ID:W2SDnvMcO
「フレちゃん今日もお迎えありがと〜♪」
「志希ちゃん今日も研究おつデリカ〜♪」
「「イェイ!」」
35: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:38:55.82 ID:W2SDnvMcO
「泉ちゃん、それじゃ私レッスンに向かうね〜」
「あっ、はい、コーヒーありがとうございました!」
「志希ちゃん、何のお話してたの?」
36: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:39:41.16 ID:W2SDnvMcO
地下から昇るエレベーターに3人で一緒に乗り、泉は2人より先に1階でエレベーターから降りた。
「志希さん、フレデリカさん、レッスン頑張ってください」
「うん!フレちゃん今日も頑張ってくるよ〜♪」
37: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:41:28.37 ID:W2SDnvMcO
2日後、レッスン開始15分前。
泉は346プロダクション敷地の端にちょこんと存在するプレハブ小屋に来ていた。
今までの空調の効いた地下から一転、うだるような暑さを真っ向から受け止めているこの建物は、泉には蜃気楼で歪んで見えた。
38: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:43:14.50 ID:W2SDnvMcO
閑話休題。
「というか汗だくじゃない。自主レッスンでもしてたの?」
39: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:43:58.86 ID:W2SDnvMcO
「それにしても晶葉が時間通りとは珍しいね、あの小屋、そんなに嫌だった?」
「…何、その、なんだ」
歯切れの悪い言い方で、晶葉は答える。
40: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:45:48.22 ID:W2SDnvMcO
「時間を守らないところとか、自分勝手なところとか、変なものばっかり作るところとか」
「…………」
「…そういう目立つところばっかり粗探しして、嫌いになろうとしてた」
41: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:46:30.56 ID:W2SDnvMcO
そう言って、泉は頭を下げた。
一晩考えて、泉が得た答えはこれだった。
天才と呼ばれるだけの才能の持ち主は、確かに存在する。
だけど、その人物は天才である前に、1人の人間なのだ。
42: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:50:07.37 ID:W2SDnvMcO
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
「全部、あらかじめ聞いてた!?」
43: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 23:13:14.53 ID:W2SDnvMcO
「しかしそこまで分かってたなら教えてくれればよかったものをな」
「………いや、プロデューサーなりに考えて敢えてそうしてくれたんだと思う。…多分、自分で気付かないといけなかったことだから」
泉は上がった肩の力を抜きながら小さく溜息を吐いた。
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