36: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:39:41.16 ID:W2SDnvMcO
地下から昇るエレベーターに3人で一緒に乗り、泉は2人より先に1階でエレベーターから降りた。
「志希さん、フレデリカさん、レッスン頑張ってください」
「うん!フレちゃん今日も頑張ってくるよ〜♪」
フレデリカと泉と話すことさえほとんど初めてだったが、研究室前からここに来るまでで既に少し打ち解けていた。
「泉ちゃん」
エレベーターの扉が閉まる間際、志希が泉に声をかける。
「はい」
「出来れば、晶葉ちゃんを『天才』にはしないで欲しいな。…せめて、泉ちゃんだけでも」
「……それって…」
答える前に、エレベーターは閉じ、動き出してしまった。
それでも泉はその場から動かずに俯いていた。
少しして、泉は顔を上げる。
もう聞こえるはずもないが、志希に向けて。そして自分に向けて、小さな声で呟いた。
「うん。そうね…私が、晶葉のパートナーだもんね!」
答えは得た。
エレベーターに背を向け歩き出す。足取りは軽かった。
49Res/35.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20