27: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:32:48.79 ID:W2SDnvMcO
ビルの廊下を歩きながら、大石泉は考える。
さっきの問答の真意を。
28: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:34:03.20 ID:W2SDnvMcO
・・・・・・・・・・・・・
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・・・・・
「いや〜ありがとね〜、わざわざ運ぶの手伝ってもらって」
29: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:34:37.79 ID:W2SDnvMcO
「ふむふむ…なるほど、晶葉ちゃんと上手くいかない、ねぇ…」
「もう時間がないんです、あと1週間と少しでドリフェスが始まっちゃう…それまでに、何とかしなきゃ…」
「…何とか、ね」
30: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:35:24.97 ID:W2SDnvMcO
きっとこんな質問、本人は飽きるほどされてきたのだろう。
辟易させてしまうかもしれないが、それでも泉は聞きたかった。
その答えで、自分は何を知りたいのかを、知りたかった。
31: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:36:04.30 ID:W2SDnvMcO
「不思議に思う…?」
「うん、『何でこの人は、私をトクベツにしたがるんだろう』って」
「…トクベツに…したがる?」
32: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:36:42.44 ID:W2SDnvMcO
志希はコーヒーをまた一口啜る。
「今は、っていうのは…」
「うん、アイドルになってから。何でだと思う?」
33: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:37:36.70 ID:W2SDnvMcO
「うん、昔の志希ちゃんじゃ信じられなかったかも。まさかアイドルになって、フレちゃん達みたいなお友達も出来るなんて」
「フレちゃん…宮本フレデリカ、さん」
宮本フレデリカ。
34: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:38:27.06 ID:W2SDnvMcO
「フレちゃん今日もお迎えありがと〜♪」
「志希ちゃん今日も研究おつデリカ〜♪」
「「イェイ!」」
35: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:38:55.82 ID:W2SDnvMcO
「泉ちゃん、それじゃ私レッスンに向かうね〜」
「あっ、はい、コーヒーありがとうございました!」
「志希ちゃん、何のお話してたの?」
36: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:39:41.16 ID:W2SDnvMcO
地下から昇るエレベーターに3人で一緒に乗り、泉は2人より先に1階でエレベーターから降りた。
「志希さん、フレデリカさん、レッスン頑張ってください」
「うん!フレちゃん今日も頑張ってくるよ〜♪」
37: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:41:28.37 ID:W2SDnvMcO
2日後、レッスン開始15分前。
泉は346プロダクション敷地の端にちょこんと存在するプレハブ小屋に来ていた。
今までの空調の効いた地下から一転、うだるような暑さを真っ向から受け止めているこの建物は、泉には蜃気楼で歪んで見えた。
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