大石泉は天才が嫌いだった
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31: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:36:04.30 ID:W2SDnvMcO
「不思議に思う…?」

「うん、『何でこの人は、私をトクベツにしたがるんだろう』って」

「…トクベツに…したがる?」

「そうなの。皆ね、志希ちゃんのことを宇宙人を見るみたいな眼で見てくるんだよね〜」

「……それは…」

泉は最初、皮肉を言われているのかと思った。志希の言っていることに、あまりにも心当たりがありすぎて。
しかし、いつもの不敵な笑顔の奥に、どこか寂しさを感じさせる声色で志希は続ける。

「私は、自分のことは特別だなんて思ってなかったんだ。なのに気付いたら私は周りの人たちによって『天才』にされちゃってた」

「志希さん…」

「寂しかったけど、すぐ慣れちゃった。ほら、志希ちゃん天才らしいから作りたいものは何でも作れちゃうしね〜」

志希は誤魔化すように笑った。
誤魔化すように笑っていることが、泉にも理解出来てしまった。



「でもね、今は寂しくもないんだ」




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