ある門番たちの日常のようです
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454: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/22(日) 23:33:30.78 ID:N6bKefKp0
コチコチコチコチコチ。

総理大臣執務室の壁に掛けられた時計が、静まり返った部屋の中に五つ音を刻む。

彡(゚)(゚)「……………キッツいなぁ」
以下略 AAS



455: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/22(日) 23:45:25.13 ID:N6bKefKp0
無論我が輩としても、“日本の国益”など人類が完全に消滅すれば戯れ言にすらなりはしないと理解している。だから多少は我が国にとって不利益が生まれようとも、より迅速かつ強固に“超国家的な軍事機構”を作り出す方法があるなら其方を優先することは吝かではない。

だが、現実はどうだろうか。滅びの危機にあるヨーロッパですら、未だ完全な団結は為されていない。誰もが“自分は滅びずに済むかも知れぬ”となんの根拠もない希望に縋り、国家の指導者共は国益ですらない“私益”が揺らぐことを恐れて隣国の危機に目をつむり耳を塞ぐ。

我が輩が敬愛して止まぬ眼鏡フェチ漫画家の現行作品で、かつて第六天魔王と呼ばれた男が口にしていた台詞を思い出す。
以下略 AAS



456: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 00:24:24.00 ID:wQDSgDey0
首相は、懐から葉巻を取り出すと口に咥えて火を付ける。しばらく紫煙が先端から立ち上る様を物憂げな表情で眺めた後、彼はおもむろに口を開いた。

彡(-)(-)-~「………ま、ワイはあんたほど頭はようできとらん。実際、【統合海軍】設立の道筋についても代案が有るわけでもない。

現状はこれが“最善の道”やし、ワイも日本が富む上に世界も守れるなら一石二鳥や」
以下略 AAS



457: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 00:39:01.89 ID:wQDSgDey0





以下略 AAS



458:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 08:01:49.54 ID:Y16554wWo
いいねぇ


459:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 14:54:37.55 ID:5y0bXKYA0
ロマさんも南総理も凄すぎるなw
それに皮肉気味でもあるけど、その政治力・外交力の一端をあの面々が支えてるのがなんとも


460: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 21:34:07.29 ID:wQDSgDey0
よく、ドイツ語は演説向きの言語だって話を耳にする。何でも勇壮な響きの単語が多くアクセントも相手を「のせ」やすいため、大衆を高揚させ煽動する際に大きな助けとなるらしい。

まぁ、政治家なんていう七面倒な職につく予定もなければハーケンクロイツを掲げてミュンヘン辺りで崇高な使命を胸に抱いて決起する情熱も持ち合わせていなかった俺にとっては、はっきり言ってどうでもいい話だ。

………どうでもいい話、だったのだが。
以下略 AAS



461: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 21:37:19.71 ID:wQDSgDey0

壇上で後ろに立つティーマスが、小声で囁きながら俺の脚を他の奴等にバレぬよう小突く。痛みに顔を少ししかめながら誤魔化してみせたが、眼前の1000人分を遙かに凌ぐ強く鋭い眼光を背に感じたので直ぐにやめた。

('A`)「………つってもさ、真面目な話俺に何を言えってんだよ。割とマジでイヨウ中佐何を考えて俺をこの場に引っ張り出したの?階級だって高くねえしミルナ中尉やサイ大尉みてえに気が利いたことも言えないっての。いじめ?いじめなの?」

以下略 AAS



462: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 21:47:42.69 ID:wQDSgDey0
機動迎撃大隊………イヨウ中佐曰く「何でも屋」。それを構成するのが、ジョルジュ、ミルナ中尉、サイ大尉、ツンの四人を先頭に俺の前に並ぶ約1000人。

居並ぶ顔ぶれは本当に様々だ。ドイツ・フランス合同旅団から引きぬかれたフランス兵もいれば、サイ大尉に着いてきて共に編入されたアメリカ海兵隊もいる。俺やミルナ中尉の部下だった顔ぶれもちらほらあるし、どうも学園艦から志願してきたらしい年端もいかねえガキも、ほんの数人だがツンの後ろで列に加わっていた。

だが、今はその誰もが緊張と隠し切れない恐怖を浮かべて俺に視線を向ける。
以下略 AAS



463: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 22:00:49.00 ID:wQDSgDey0
('A`)「隠し事は苦手なんではっきりと言うが、この作戦の成功確率は低い。どれだけこっちに都合よく計算しても30%あるかないかってところだ。よしんば成功しても、ドレスデン防衛軍が受ける損害は計り知れない。

それは、この大隊も同じだ。何人死ぬか────いや、何人しか生き残れないかは、正直俺にも解らない。全滅したって何もおかしくない」

…………ほれ見ろ、素直にミルナ中尉やサイ大尉に任せりゃいいものを俺にやらせたばっかりにこのざまだ。今やサイ大尉の後ろに並ぶアメリカ海兵隊を除いた全員が葬式場のように陰気な顔つきで俯き、今にもすすり泣きが聞こえて来かねない。
以下略 AAS



464: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 22:22:23.55 ID:wQDSgDey0
現状を説明したときよりも、ずっと大きなざわめきが目の前で飛び交う。アメリカ海兵隊の奴等ですら、少し驚いた表情を各々に作って俺の方を見ていた。

('A`)「俺は一介の陸軍少尉に過ぎない」

それらをあえて完全に無視して、言葉を続ける。俺の、「思ったままのこと」を。
以下略 AAS



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