456: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/23(月) 00:24:24.00 ID:wQDSgDey0
首相は、懐から葉巻を取り出すと口に咥えて火を付ける。しばらく紫煙が先端から立ち上る様を物憂げな表情で眺めた後、彼はおもむろに口を開いた。
彡(-)(-)-~「………ま、ワイはあんたほど頭はようできとらん。実際、【統合海軍】設立の道筋についても代案が有るわけでもない。
現状はこれが“最善の道”やし、ワイも日本が富む上に世界も守れるなら一石二鳥や」
一際大きく煙を吐き出しながら、彼は我が輩を真っ直ぐに見据える。
決意の感情が奥に揺らめく、力強い瞳だった。
彡(゚)(゚)「こっちはどんな小汚い手使ってでも【統合海軍】設立に向けての動きを加速させるよう最大限努力したる。そっちも、なるべく深海棲艦の奴等に苦い汁を飲ませ続けてあらゆる策を用いて粘り倒してくれや」
( ФωФ)「…………当然のことです」
…………好き嫌いと、その人物の有能無能は別次元の問題だ。
やはり我が輩は南慈英という人間を好きになれないが、それでもこの男が日本国首相だったという幸運を感謝する。
彡(゚)(゚)「しかし粘り倒す言うても、アテはあるんか?人類側の今の技術や外交事情で生産力・戦力増産の面で深海棲艦と競争するのはどう考えても無謀の極みや。となると次に打つ手は“質”の向上に伴う少数精鋭での穴埋め、せやけどこの戦況でそんな穴埋めができるクラスと言えば、それこそ“海軍”並みの────」
( ФωФ)「首相………否、“海軍”総司令官補佐」
提示された疑問を半ばで遮り、我が輩は一束の資料を掲げてみせる。
( ФωФ)「その件ですが、“アテ”は既に用意してあります」
表紙には、気怠げな目付きをした一人のドイツ軍人の写真が添えられていた。
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