300: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/22(金) 23:00:38.17 ID:VgaczIdP0
バチ、バチ。
短く二回、自身を覆う船体殻が艤装が上げた火花に合わせて明滅する。
本来無色不可視の防壁が、僅かに黄色くなっているのを青葉は視認する。
301:>>300ミス ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/22(金) 23:11:52.37 ID:VgaczIdP0
しばしの間、両者は沈黙のまま視線を交わしていた。
まるで何年も愛し合っていた恋人同士のように見つめ合いながら、
まるで何年も互いの命をかけて戦ってきた仇敵同士のようににらみ合いながら、
302: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/22(金) 23:19:44.09 ID:VgaczIdP0
限界まで積み荷を載せたダンプカー同士が最高速で正面衝突したような轟音が辺りに鳴り響く。
突風が逆巻き、砂煙が舞い上がる。大和の46cm砲の炸裂と見紛うばかりの衝撃。
その中心で、この光景を生み出したのが身長160cmに満たない二つの人影の交錯だと、誰が信じられようか。
303: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/22(金) 23:39:51.24 ID:VgaczIdP0
攻防は止まらない。既に砲弾の残骸が地面に到達したときには両者ともその場におらず、再び0距離で構えを取っていた。
リ級が裏拳を放ち、青葉がそれを上からはたき落とす。
すかさず顎に向かって掌底を放てば、これをリ級が肘打ちでそらす。
304: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/23(土) 00:07:31.47 ID:RsYd+3xJ0
「………やっぱり、貴女“あの”リ級ですね?」
互いの額がピタリとくっつき、ルビーのように紅い二つの瞳がまさに“目の前”で踊る中、青葉は歯の隙間から絞り出すような──はっきり言って外見美少女が出すものとしてはあまりにも相応しくない──声でリ級に語りかける。
「大本営から聞いてますよ。リスボン沖事変、そしてベルリンの戦いに現れた、異様に高い戦闘能力と明らかに他の深海棲艦と比較して豊かな情緒を併せ持った特殊個体の話。
305: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/23(土) 00:09:48.03 ID:RsYd+3xJ0
今回分終わりです。>>300のミス連投は軽く死にたくなりました。
明日からの(,,゚Д゚)たちのパートでひとまずこの話は最終章となります。
最後までおつきあいいただければ幸いです
306:名無しNIPPER[sage]
2017/09/23(土) 01:38:11.26 ID:pZ7RGFqA0
おつおつ
確かに遊軍として方々を駆けずり回るドク達とは運がよくなきゃ遊べないよね(白目
…青葉で釣れたならまだマシだろうけど、一歩間違えば本陣強襲から大惨事もあったのかw
307: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/24(日) 23:21:58.51 ID:KiIh6cLg0
308: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/24(日) 23:51:58.38 ID:KiIh6cLg0
ズンッ!!!とヘソのあたりが冷えるような音が響き、身体の下で地面が激しく揺れる。
手榴弾一個から放たれたとは到底思えない“爆発”。至近距離から諸に受けた前面シャッターは、当然の帰結として規格外の爆発エネルギーによって無数の破片に姿を変えながら“外側”に向けて飛び散った。
「paaaa!?』
309: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/25(月) 00:39:20.14 ID:8GpORR1a0
技術部のイカレぶりには一言どころではなく文句があるものの、ともあれ敵の包囲部隊は突如として発生した大損害に著しく混乱している。
飛び交う悲鳴と怒号に統率は感じられず、濃密だった弾幕は今やバラバラと申し訳程度に飛んでくるだけ。
────畳み掛けない手は、ない。
310: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/25(月) 01:52:22.29 ID:8GpORR1a0
(,,゚Д゚)「あんな甘えたことほざいてた奴が元同僚や元部下に銃口向けられるかどうか心配してたんだがな!」
( ̄⊥ ̄)「なめて貰っちゃ困る、提督になる前は“Frogmen”の候補だったんだ!」
「カッハ………』
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