ある門番たちの日常のようです
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304: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/23(土) 00:07:31.47 ID:RsYd+3xJ0
「………やっぱり、貴女“あの”リ級ですね?」

互いの額がピタリとくっつき、ルビーのように紅い二つの瞳がまさに“目の前”で踊る中、青葉は歯の隙間から絞り出すような──はっきり言って外見美少女が出すものとしてはあまりにも相応しくない──声でリ級に語りかける。

「大本営から聞いてますよ。リスボン沖事変、そしてベルリンの戦いに現れた、異様に高い戦闘能力と明らかに他の深海棲艦と比較して豊かな情緒を併せ持った特殊個体の話。

断片的な話しか聞いてませんが、それでもすぐに解りましたよ。青葉達の“同類”の1人だってね」

青葉は、また嗤っている。額から流れてくる血に顔面を染め上げながら、心底愉快そうに、心底愛おしげに嗤っている。

「行動パターンを見る限りどうも“お気に召した”方がいるかなと思ってたんですが………まさかはるばるロシアまで来るとは。お気に入りさんが諸事情で出てこなくて、ちょっとした暇つぶしにでも来たんですか?」

『──────キヒッ』

リ級もまた、笑い声を漏らす。言葉での返答はなかったが、その表情が何よりも雄弁に問いの答えを示していた。

「ええ、ええ。青葉達は幸運ですねぇ。お互い、思わぬ“お楽しみ”に出会えました………さぁ」

もう一度、2人は頭を振りかぶる。

激突した額の皮膚が更に深く裂け、2色の相反する色の血が混ざり合いながらあたりに飛び散る。

東の空が微かに白み始める中、ムルマンスクの街に佇む2匹の血濡れの化け物は笑みかわす。








「──────この世界の“はぐれ者”同士、仲良く殺し合いましょう。

ねぇ?“バグ”さん?」


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