188: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/01(金) 23:12:08.72 ID:j6M+qQxRO
Ostrichから暗に倉庫が空っぽだと伝えられるが、俺は元より期待していない。入り口から数百メートルしか離れていない機密性皆無の倉庫に重要物が搬入されていた可能性は限りなく低く、おまけに現在は敵の制圧下。
仮に何らかの理由で特殊な物資が運び込まれていたとして、それがむざむざと残されているはずがない。
「うりゃりゃりゃりゃーーー!しつけえなチキショーめ!!」
189: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/02(土) 00:30:18.92 ID:uPdkT3I3O
流石に北欧最大の軍港施設だけあって、倉庫一つとってもスケールがデカい。中は綺麗な長方形となっており、ざっと見たところ少なくとも日本の一般的な市民体育館と同程度の広さがある。
(,,゚Д゚)「村田、飯島、こっちの見張りを頼む」
「「了解」」
190: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/02(土) 01:00:09.07 ID:uPdkT3I3O
「………というかさ、本当にもしかしてお酒入れられてたのかなここ」
俺の直ぐ後ろに立つ2番艦が、鼻をすんすんと鳴らしながら怪訝な表情を見せる。その姿は夕立や白露と言ったこいつの姉妹艦達とはまた別ベクトルの犬っぽい仕草で、さながら不審物に気づいた警察犬のように見えてくる。
「なんか、アルコールの臭いがする。臭い自体はちょっと薄いけどさ」
191: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/02(土) 23:02:49.37 ID:uPdkT3I3O
「動クナ、動クナヨ!!」
「Don't move!! Put youra hands!!」
いつの間にか、俺達は周囲を10人程の銃を持った人影に囲まれていた。全員が迷彩服に身を包んでおり、口元を布や防塵マスクのような物で覆っているため表情や各個人ごとの細かい情報を得ることは難しい。
192: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/02(土) 23:22:20.71 ID:uPdkT3I3O
俺は、右隣で同じようにホールドアップする大男を横目で見る。自分の目付きを自分で見ることはできないが、きっと風一つ吹いていない梅雨時の昼下がりよりも湿気に満ちた視線になっていることだろう。
(∩゚Д゚)∩「アメリカじゃ中に1ダース以上人間が潜んでいる状態を“何もない”と表現するんだな、初めて知ったよ」
(∩;゚∋゚)∩「……すまん、まさか地下室があるとは思わなかった」
193: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/02(土) 23:28:52.50 ID:uPdkT3I3O
「………っぐ!?」
掲げていた左手を握り込み、勢いよく振り下ろす。わき腹に密着していた銃口を叩き落としつつ姿勢をチビの顔面辺りまで落として肘打ちをかます。
(,,;゚Д゚)「って………」
194: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/02(土) 23:40:49.35 ID:uPdkT3I3O
(#゚∋゚)「────」
「グゥアッ!?!!?」
その横っ面に叩きつけられたのは“人影”。Ostrichの見た目に違わぬ筋力で投げ飛ばされた包囲網の1人が轟音と共に直撃し、そいつはナイフを取り落として床を滑る。
195: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/03(日) 00:15:35.02 ID:hnfwegeQO
「…………っ!? なっ(#゚∋゚)「OCTaHOBиTeCЬ!
」
「ぴっ!?」
196: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/03(日) 00:40:47.60 ID:hnfwegeQO
(,,゚Д゚)「………あー、あの馬鹿はあんなこと言っているが安心してくれ。俺達は決して敵じゃない。まぁこんな状況で言っても説得力なさ過ぎだけどな」
今にも地獄からの死者を名乗る蜘蛛男辺りが飛び込んできそうな空気を緩和させるためAK47を手放しながら、俺も“司令官”に声を掛ける。
元々、相手の正体が読めた時点で厳密には“敵”じゃないことは解っていた。上手く言いくるめる方法が思い付かず肉体言語で“説得”することになったのは反省材料だが、あの場で最優先すべきは熟慮ではなく一刻も早い状況の打開だったのでまぁ勘弁願おう。
197: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/03(日) 00:41:57.70 ID:hnfwegeQO
ホントは昨日の内にここまで来たかった……一旦寝ます。
198:名無しNIPPER[sage]
2017/09/03(日) 01:01:38.23 ID:SyK/psGA0
おつおつ
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