ある門番たちの日常のようです
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189: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/02(土) 00:30:18.92 ID:uPdkT3I3O
流石に北欧最大の軍港施設だけあって、倉庫一つとってもスケールがデカい。中は綺麗な長方形となっており、ざっと見たところ少なくとも日本の一般的な市民体育館と同程度の広さがある。

(,,゚Д゚)「村田、飯島、こっちの見張りを頼む」

「「了解」」

Ostrichの指示なのか対角線上にあるもう一つの入り口に見張りが2名ついていたので、此方も同じ人数を今入ってきた扉につける。他に入り口らしい箇所はないので、外に対する警戒はこれで十分なはずだ。
強いていうなら入ってきた側、つまり本舎側を向いている面に上下開閉式のシャッターが着いているが、倉庫の規模に併せて此方もかなり大きい。十中八九電動式なので外からも開けられるだろうが、この重量の扉が高速で開閉できるとは思えないので万一敵が侵入目的で開放しても対処する時間は確保できる。

「………まぁしかし、本っ当になぁンにもねえ」

外の銃声も止んでようやく少し落ち着いたところで、江風が辺りを見回した後腰に手を当てて感心すら滲んだ声でぼやいた。

「こンだけデカいのにがらんどうだと、ちっとばかし落ち着かねえや」

“敵”がサーチライトや自動機銃を使ってきた時点で解っていたことではあるが、ムルマンスク鎮守府のインフラはかなりの部分が正常に機能しているようだ。倉庫内に関しても天井の電光パネルが煌煌と照らし出していて、中の様子は隅から隅までよく見える。

そして、本当に物らしい物が一つも置かれていない。脇の方に用途不明の鉄パイプが数束置かれている程度だ。

(?゚∋゚)「………使えるものも“何一つ”ないと言っただろ。アレは言葉通りの意味だ」

いっそ開放的なすがすがしさすら感じられる中で、Ostrichが低い声で答える。

(?゚∋゚)「元々何もないのか、占拠した奴等が根刮ぎ持って行ったのかは定かではない。………まぁ、ここがロシアであることを考えればウォッカは間違いなく含まれていただろうが」

“ダチョウ”のコールサインを与えられた身長190cm越えの大男は、ぼそぼそと台詞を続けて小さく肩を竦める。寡黙ではあるが、こんな状況下でもジョークを言える程度にはユーモアを持ち合わせているらしい。


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