神様、どうか彼らを御助け下さい。
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13: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:04:45.00 ID:eLlVio3H0

 有田稀有は探偵である。

 彼女は、「死体を見れば犯人がわかる」。
 そう言う能力を持っている。
以下略 AAS



14: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:05:11.61 ID:eLlVio3H0

「遅いですよ。パーティの準備しましょうよ」

「……あぁ」

以下略 AAS



15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:05:51.79 ID:eLlVio3H0

 陣内崎は魔都との別称もあるとおり、様々な人種と物品が縦横無尽に入り乱れた都市である。心地よい日光に照らされた広場を擁する大通りもあれば、そのすぐ脇の薄暗がりでは非合法の品も取り扱われている。
 ロシアンマフィア、華僑、在日米軍、そして「能力者」。さながら火薬庫となったこの都市は実質的に治外法権で、政府だって手を出せない。
 いや、手を出そうとした結果を誰も忘れていないだけか。忘れたころに、どうせまた、同じことは起こる。栗にやられた痛みが残っている間は、火中のそれを拾おうとはしないという程度に過ぎない。

以下略 AAS



16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:06:17.21 ID:eLlVio3H0

 俺は陣内崎に来ておおよそ半年。対して稀有は二年以上を過ごしている。当然街については彼女のほうがずっと詳しいので、俺にできることといえば荷物持ちと、周囲の気配に慎重になるくらい。
 どちらかといえばお目当ては裏路地のようだった。七区、露天商通り。またの名を廃品通り。
 最も闇が深いと言われている八区に隣接していながら、まだこの辺りの治安は良好だ。ただし、あくまで八区に比較して、という話である。大通りでは露天商がゴザに商品を並べ、ただ黙ってじっとしている。商品も宝石類からよくわからない機械基盤まで様々だった。

以下略 AAS



17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:06:57.50 ID:eLlVio3H0

「……物騒だな」

 幸いこちらに対して敵意はないようだ。それでも油断はならないが。

以下略 AAS



18: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:07:27.45 ID:eLlVio3H0

 扉を開けると軽く鈴の音が鳴って、カウンターの奥の通路から、のっそりと巨大な影が姿を現した。

「――は?」

以下略 AAS



19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:08:06.96 ID:eLlVio3H0

 そんなパンダ相手に稀有がナントカ牛のドコドコの部位がこれくらい欲しいんですが、というような話をすると、パンダはこくりと一度うなずいて、その巨体を揺らしながら奥の通路へと消えていった。

「なんなんだ、あいつは……」

以下略 AAS



20: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:09:13.41 ID:eLlVio3H0
―――――――――――
今回は以上になります。

設定厨による作品の供養。お付き合いいただければ幸いです。


21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/25(日) 01:58:25.30 ID:zKrhlsv70

* * *

 その日の夕食は焼肉で、パンダから買ったあの肉は、確かに舌の上でとろけるほどに美味だった。かなり大きなブロック肉だったのだが、俺も稀有も頬をほころばせながら、おいしいおいしいと瞬く間に平らげた。
 食後に出てきたのは道中で買ったケーキだ。さすがに二人で1ホールは消費しきれないと考え、稀有はモンブランとショートケーキ、俺はティラミスとミルクレープを選んだ。
以下略 AAS



22: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/25(日) 01:58:54.63 ID:zKrhlsv70

 ワインを一本あければあとはもうぐでぐでである。そもそも俺はさほどアルコールに強くない。姉も、両親も、強くはなかった。祖父母もそうだったと聞いている。恐らく血筋なのだろう。
 だから、俺と殆ど同じペースで飲んでいた女子高生探偵がふらふらするのも、至極当然の帰結である。

 法律? そんなものは陣内崎にはない。少なくとも未成年の飲酒がご法度だとは、寡聞にして聞いたことはなかった。
以下略 AAS



23: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/25(日) 01:59:34.33 ID:zKrhlsv70

 ぼすん、と勢いよく稀有はソファに落下して、水道水をおいしそうに飲み干した。
 ごくごくごく。一息でコップ一杯を呑みほし、センターテーブルへと置くと、ぼんやりした表情で虚空を見つめていた。
 寝落ちするのも時間の問題だろう。事務所には寝泊まりできるような部屋はないが、代わりに折り畳み式の簡易ベッド位ならある。それを引っ張り出そうとして歩き出せば、脚が止まった。

以下略 AAS



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