17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:06:57.50 ID:eLlVio3H0
「……物騒だな」
幸いこちらに対して敵意はないようだ。それでも油断はならないが。
「豪雨さんはこの辺は初めてなんですか?」
「そうだな。厄介ごとは嫌いだ」
「でも多分、厄介ごとのほうは、豪雨さんのことが好きだと思いますよ。そう言う顔してますもん、豪雨さん」
けらけら笑う稀有はこんな怪しい場所にいても自然体だ。言うとおり、初めてではないのだろう。
「あ、あそこです。お目当ての場所」
稀有が指差した場所は雑居ビルの一階で、恐らくは通用口と思しき扉に、大きく「モノクロ屋」と書かれていた。
……怪しすぎる。
「何屋なんだ?」
「雑貨屋ですよ。いえ、何でも屋、というべきですかね。折角ですから奮発して、いいお肉でも、と思いまして」
「こんなうらぶれた雑居ビルに、か? 人肉じゃねぇだろうな」
「人肉の方が安い街ですから」
違いない。
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