19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/22(木) 14:08:06.96 ID:eLlVio3H0
そんなパンダ相手に稀有がナントカ牛のドコドコの部位がこれくらい欲しいんですが、というような話をすると、パンダはこくりと一度うなずいて、その巨体を揺らしながら奥の通路へと消えていった。
「なんなんだ、あいつは……」
「パンダさんです。見ての通り。それ以外のことは、わたしにもわかりませんねぇ」
それでいいのか、と言おうとしたそのとき、パンダが油紙に包まれた肉を持ってやってきた。稀有はにこやかにそれを受け取ると、キャッシュカードで支払いを済ませる。
……カードまで対応しているのか、この店。
店を出るとまた薄暗い路地。上を見上げれば晴天だが、入り組んだ奥底までは太陽の光も届かないようだ。
俺は手でひさしを作った。光に目を細めながらも頭上に鎮座ましましている「ソレ」の姿を見極めようとする。
陣内崎の上空三キロメートルには、戦略核が浮いていた。
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