神様、どうか彼らを御助け下さい。
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23: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/25(日) 01:59:34.33 ID:zKrhlsv70

 ぼすん、と勢いよく稀有はソファに落下して、水道水をおいしそうに飲み干した。
 ごくごくごく。一息でコップ一杯を呑みほし、センターテーブルへと置くと、ぼんやりした表情で虚空を見つめていた。
 寝落ちするのも時間の問題だろう。事務所には寝泊まりできるような部屋はないが、代わりに折り畳み式の簡易ベッド位ならある。それを引っ張り出そうとして歩き出せば、脚が止まった。

「……ん?」

「……」

 稀有が俺の服の端っこを掴んでいた。

「豪雨しゃんも! ここ!」

 さすがに簡単に酔いは覚めるはずもなかったようだ。酔っぱらいに付き合うほど不毛なことも珍しいが、反抗するほうが余程厄介。言われるがままに稀有の隣へと腰を下ろす。
 そうした瞬間、こてんと稀有が俺の肩に自分の頭を預けてくる。大して重たくはないが、それよりなにより、稀有から漂ってくる甘い芳香が俺の鼻腔をくすぐって仕方がないのだった。
 わざとやっている。すぐにぴんと来て、同時にため息もつく。いっちょまえに恥ずかしがってるな、俺。




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