24: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2017/06/25(日) 02:00:02.44 ID:zKrhlsv70
「ん」
膝の上を示してやると、にんまりと猫のように微笑んで、稀有は俺の脚を座面、胴体を背もたれとして活用しだした。俺は手持ち無沙汰になった両腕を稀有の背中から回し、腹の辺りを揉んだり撫ぜたりしてみる。
くすぐったそうな声を出す稀有。少し熱っぽくも感じられるそれを意図的に無視して、少し強めに抱きしめた。
「好きです、豪雨さん」
そう言う稀有の顔はこちらからでは見ることはできない。真顔なのか、はにかんでいるのか。
「いっぱい、助けてくれました。いっぱい、いっぱい。だから」
「俺は荒事担当だからな」
「それだけじゃなくて……」
少し待ってみたが、続きが聞けることはなかった。すぅすぅ。可愛い寝息が腕の中から聞こえてくる。
有田稀有は名探偵である。
その名声は、陣内崎の内外を問わず、全国に轟いている。
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