恵美「あの人と、結婚した。」
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48: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:14:30.76 ID:nE0G2m1V0
『えっ!?いやいや、俺は恵美に『アタシに甘えるな!』って言われてるものとばかり…』

「はぁ…?」

今のアタシにはPの言ってる言葉の意味がわからなくて、頭が一瞬活動停止した。ただそれだけなのに、電話越しなせいかPはアタシが怒ってると思ったらしく、言い訳をまくし立てるように早口で話し始めた。
以下略 AAS



49: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:17:05.17 ID:nE0G2m1V0
『………で、あの後不安になって『夫 出張中』とかで検索してみたら、その…居ない方が楽だ、とか…俺にとってネガティブな事ばっかり色々書いてあったし、恵美ももしかしたらそうなのかなって。恵美は優しいから我慢してくれるんだろうけど、負担になるくらいだったら寂しさくらい我慢しなきゃと思ってな。俺が甘えてばっかりじゃ、やっぱ夫婦としてダメだから』

……………………っ!!

アタシは色んな気持ちがはち切れそうで、声すら出せなかった。Pの声が聞けた事への安堵、超絶大バカなPへの怒り、そして分かってくれない悲しみ、そして相手を分かってないのはアタシも同じなのに、自分勝手に怒るわがままな自分への激しい嫌悪感。どの感情で涙を流してるのか、自分でも分からなかった。それほどその一つ一つが大きい物だったから。
以下略 AAS



50: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:18:00.90 ID:nE0G2m1V0
そんなアタシの沈黙をPはどう受け取ったのか最初の勢いはなくなり、声も弱々しくなっていった。

『…自分でも女々しいって事は分かってるよ。恵美がもしかして俺の事を友達、良くて親友くらいにしか思ってないのかな、っていうのは薄々思ってたし…」


以下略 AAS



51: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:21:29.55 ID:nE0G2m1V0
この言葉にアタシは一瞬自分の方の非も綺麗サッパリ忘れて、完全にキレた。確かにアタシはPの鈍感な所も含めて好きになったし、結婚もした。けど今の言葉だけは、Pを心から愛する妻として許す事ができなかった。そしてドスの効いた声でゆっくりと、


「はぁ?なにそれ。知ったかぶりも大概にしてよ。バカじゃないの」

以下略 AAS



52: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:25:03.30 ID:nE0G2m1V0
『あ、うん、だよな。ごめ……はぁ!?えぇっ!!?うそっ、嘘だろ…!!?なぁ、今の』

アタシのそんな気持ちなんて全く知らなかったとばかりに驚くPに対しての怒りか、勢いで大音量での愛の告白をしてしまった事に対する照れのどっちのせいかは分からないけど、アタシは顔を真っ赤にしながら畳み掛けるように攻撃を続ける。

「なに驚いてんの!?ありえない、ほんっとサイテーだよ!!男として好きじゃないならPが帰ってきてすぐ玄関にすっ飛んでったりしないし、寒い中ニコニコしながら手を繋いで毎朝そこまで見送りに行ったりしない!何より結婚なんてする訳ないでしょ!!」
以下略 AAS



53: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:26:48.86 ID:nE0G2m1V0
『……………………』

沈黙の中、アタシの啜り泣く声だけが部屋に響いていた。押し黙るPは、今何を思ってるんだろう。知る為にはアタシの全てを知って貰うしかない。

そう頭で考える前に、口が勝手に動いていた。
以下略 AAS



54: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:30:20.18 ID:nE0G2m1V0

『……………恵美っ』

とても苦しそうな声。Pの辛そうな顔が目に浮かぶ。やっぱりアタシ、夫を困らせるダメな奥さんだ。さっき琴葉に言われたばっかなのに。

以下略 AAS



55: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:31:54.94 ID:nE0G2m1V0
「それから…ちゃんといっぱい喧嘩しようね。アタシも言うから、何でもいいから思った事は言って?もう今みたいなのはやだよ」

『…そうだな。俺もそう思うよ』

「うん」
以下略 AAS



56: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:32:57.85 ID:nE0G2m1V0
『…ごめん恵美、そろそろ』

「あ…うん!ゴメンゴメン、大分話し込んじゃったね。じゃ、また明日の朝かけるから」

『おぉっ、待ってるよ!…へへっ』
以下略 AAS



57: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:34:18.20 ID:nE0G2m1V0
「メグミっ!」

「きゃっ…!?な、何?エレナ」

エレナはアタシの両手を両手で包み込み、アタシにとってはとても信じられない事を明るく言い放った。
以下略 AAS



58: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:37:00.36 ID:nE0G2m1V0
「他にもヘアサロンに行ってイメチェンして惚れ直して貰おうとか、帰って来たその日のご飯はプロデューサーの大好物を作ってあげようとか、プロデューサーの向こうでのお土産話聞くの楽しみだなーとか、その後ラブラブしたいなーとか!楽しみな『未来』は、他にもイーッパイだヨ!」

アタシの両肩にぽんと両手を置いたエレナの顔は、普段のぱあっとした弾ける笑顔ではなく、


以下略 AAS



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