55: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:31:54.94 ID:nE0G2m1V0
「それから…ちゃんといっぱい喧嘩しようね。アタシも言うから、何でもいいから思った事は言って?もう今みたいなのはやだよ」
『…そうだな。俺もそう思うよ』
「うん」
『……』
…この際だし、思った事は全部言っちゃおう。
「…あのさ。明日からは、アタシからかけていい?」
『どっちからでもいいさ。もう俺の片想いじゃないしな』
「……P、もしかして提案してきた時そんな事考えてたの?」
『あっ…ごめん』
「もぉ…」
全く…全然気付かなくて、自分からかける勇気も無かったアタシもアタシだけど。
『じゃあ俺も…恵美、よかったらその…明日からモーニングコールしてくれないか?』
「…えっ?な、なんで?」
あからさまにアタシの声のトーンが一段上がる。期待するような、促すようなズルい問いかけ。とくんっ、と心臓が跳ねる。
『…二日目の朝、目覚ましで起きたのがなんだか凄く寂しくてさ。あぁ、俺一人なんだなって強く感じちゃって。やっぱりいつもみたいに恵美の声で起きたい。一日の最初に聞くのは恵美の声がいいんだ。それならこっちでも頑張れる気がする』
…そっか。
Pも、アタシと同じだったんだ。
嬉しいな。
「…うん。分かった」
上がらなくていいのに、勝手に口角が上がってくる。いくら気のおけない仲の二人とはいえ、だらしないにやけ顔を晒すのだけは避けなくちゃいけない。アタシはアイドル時代に培った演技力で真顔を貼り付け、唇を真一文字に結んだ。
「メグミ、ニヤけてるヨー?」
「ふふっ♪」
…つもりだった。あーもー、超ハズい…
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