恵美「あの人と、結婚した。」
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48: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:14:30.76 ID:nE0G2m1V0
『えっ!?いやいや、俺は恵美に『アタシに甘えるな!』って言われてるものとばかり…』

「はぁ…?」

今のアタシにはPの言ってる言葉の意味がわからなくて、頭が一瞬活動停止した。ただそれだけなのに、電話越しなせいかPはアタシが怒ってると思ったらしく、言い訳をまくし立てるように早口で話し始めた。

『あっえっと…だってほら、いつも俺ばっかり恵美に甘えてばかりだろ?恵美からはあんまり甘えて来てくれないし、好きとか愛してるとかもあんまり言わないし!』

…そういえば、言ってない。Pに「好き」って言われても、アタシは「にゃはは、ありがと♪」って返してただけ。アタシがPの事が大好きなんてそんな当たり前の事、言わなくても伝わってるって思ってたから。だって、こんなにPの事が好きなんだよ?

それに、思い返してみたら…あんまりアタシから甘えたりしてる記憶はない。けど、それは…


『今回だって俺から毎日電話してくれるように頼んだけど、二日目恵美が電話に出ない理由を冷静になってから考えてみて…恵美からすれば迷惑だったのかなぁって…』

「な…何で!?何でそう思ったの!?」

迷惑!?そんな訳ない!「頼まれた」覚えなんてないし、毎日電話しようって言ってくれて嬉しかったよ!?一日目からPが電話かけてきてくれるのが凄く楽しみだったし、それをPが居ない間の心の支えにしようと思ってたのに…なんでそんな事も分かんないの…!?


『…俺が出張に行くって恵美に言った時、恵美は全然余裕そうで、気にしてなかったから。正直、ちょっとだけショックだった』


…えっ?

あれ…あの態度って、そういう事だったの…?

あの表情…Pは、引き止めて欲しかったの…?

 

P、アタシの事全然分かってないじゃん。

………アタシもPの事、全然分かってないじゃん。

これ以上気分が落ち込む筈がない。この時アタシはそう思っていた。

 


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