128: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/18(木) 03:03:29.36 ID:3OWGQWfYO
部屋に戻った彼は、ベッドへと倒れ込んだ。
時計も外し、上着も脱ぎ。何となく照明へと手を伸ばしている。
彼の視界に映るのは、ぼやけて見える強い照明と、相反して生々しく映る自身の左手。
ズタズタの手首は明かりに晒され、その傷の深さをより浮き彫りにする。
129: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/18(木) 03:04:35.00 ID:3OWGQWfYO
今回はここまで。
130:名無しNIPPER[sage]
2017/05/18(木) 15:43:53.05 ID:vQ2BFUfA0
おつおつ
これはまた強烈な…
131: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/20(土) 05:01:36.71 ID:MJwCQvXBO
「司令官!おっはよーございまーす!!」
「おはよう。」
昨日の事が嘘みたいに、次の日、青葉達はいつも通りでした。
132: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/20(土) 05:03:40.47 ID:MJwCQvXBO
その夜、青葉はまた執務室を訪ねていました。
夜にここに来ると、昼と違う顔を見せ合うようになったのは、いつからだったっけ。
いつも通り、いろんな音楽が流れていて…その間だけは、艦娘と司令官じゃなく、ただの人同士でいられる。
133: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/20(土) 05:05:45.84 ID:MJwCQvXBO
「…ソロモンの狼って、実艦の青葉が呼ばれてたのは知ってますよね?」
「それはそうさ。」
実艦の青葉は、何度大破しても戦線に戻る不死身ぶりからそう呼ばれていました。
134: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/20(土) 05:07:05.52 ID:MJwCQvXBO
「…何を着けた?」
「それ、あげますよ。青葉のおさがりになっちゃいますけど。」
それはあまり着けてなかった、手持ちのとあるペンダントです。
135: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/20(土) 05:07:56.14 ID:MJwCQvXBO
今回はここまで。
136: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/24(水) 03:59:46.99 ID:H6iAFqcy0
愛車を駆り、青年はかつて暮らした街へと走っていた。
自らの運転では、やはり景色は違う。
過去の記憶をなぞるかのように車は国道を通り、彼の脳裏では、次々とその時々の記録が流れて行く。
137: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/24(水) 04:02:11.78 ID:H6iAFqcy0
その日の講習を終え、彼は一人、用意された宿でくつろいでいた。
安宿ではあるが、窓からは慣れ親しんだ海がよく見える。
月夜と海、さわさわとした潮騒の声。
写真を一枚撮り、彼はある少女の元へそれを送った。
138: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/24(水) 04:03:52.61 ID:H6iAFqcy0
翌日の昼には、講習は全て終わった。
参加者は各々の交通手段で帰る。
電車の者、飛行機の者。そして車で戻る者。
ここまでの道は、高速を使って3時間。
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