131: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/05/20(土) 05:01:36.71 ID:MJwCQvXBO
「司令官!おっはよーございまーす!!」
「おはよう。」
昨日の事が嘘みたいに、次の日、青葉達はいつも通りでした。
人や国を守るお仕事ですから、そこは青葉も理解しているつもりです。
でも早速、いつもと違う事が青葉の目には飛び込んで来ました。
「司令官、その手どうしたんですか!?」
「ん?ああ、昨日ハサミでやっちゃってね。」
司令官は、手にひどい怪我を負っていました。
右手は包帯で巻かれていて、肌は指ぐらいしか見えていません。
…右利きの人が、何でハサミで利き手を怪我するんでしょう?
包帯の膨らみが分からない程、青葉は鈍くありません。ガーゼの位置は拳で…何かを殴らなければ、まずそんな所に怪我なんてしない。
ガーゼがあるって事は、擦り傷で。きっと固いものを殴ったのでしょう。
あの後、何があったんでしょうか?彼が何かを殴るなんて…。
……青葉、怒らせちゃったのかな…。
「ああそうだ。青葉、明後日から2日ほど僕はいないからね。
戦術講習で、××鎮守府に出張に行くんだ。」
「××鎮守府…ですか。」
それは、扶桑さんのいるあの鎮守府の名前でした。
司令官一人で、あそこに行く…それが頭を過ぎった瞬間、暗い気持ちになって。
でも青葉は…。
「了解しました!お気を付けて行って来てくださいね!」
何とか明るい笑顔を作って、その場は答えたのでした。
ほんとは、一人じゃ行って欲しくないなぁ…だってあの人は今も…。
そう、今でも………。
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