908: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:44:01.47 ID:kdA8uLchO
そのとき、社長室に誰が飛び込んできた。
全員の緊張感が瞬時に高まり、平沢は銃口を床に倒れ込んでいる銀髪に向ける。銀髪の人物は激しく息切れし頭を下げているので、銃口に気づいていない。
909: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:44:58.82 ID:kdA8uLchO
アナスタシア「パーミチ……記憶を見ました、サトウの、記憶……IBMの頭がぶつかって、それで……」
中野「マジかよ」
910: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:45:49.57 ID:kdA8uLchO
佐藤は十一階にあるプラントルームへ足を運んだ。
理想的な植生が維持されているプラントルームの植物たちには眼もくれず、佐藤は造園用具の収納スペースのドアを開けた。
911: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:48:03.61 ID:kdA8uLchO
永井は中野と並んで通路の中央に立っている。二人はシグザウエル P220を握り、階段のある南北にそれぞれ視線を向けながら佐藤を待ち構えている。装弾数はマガジンに九発、薬室に一発の計十発。換えのマガジンは互いに一つずつしか残っておらず、相談の結果、中野のほうは平沢に預けている。麻酔銃に装填する麻酔ダートは二人合わせてもそれより少ない。
伏撃の場所は永井の予想を元に平沢が指定した。さきほどの黒服たちを率いた戦闘と同じロケーションだったが方角は反対の南側で、階段へ続くドアからほど近い場所だった。エレベーターからも遠くなく、サーバー室のシステム破壊による電力ダウンのため、エレベーターの使用自体は不可能だが、亜人にとっては第二の逃走経路になりえた。
912: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:49:46.83 ID:kdA8uLchO
即興で立案した作戦を説明する段階で、アナスタシアは佐藤が永井の“断頭”を目論んでいることを初めて知った。“断頭”そのものへの恐怖、仲間が死ぬかもしれないという恐怖にアナスタシアがふたたび見舞われる。
永井「おまえが唆したんだ」
913: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:50:57.34 ID:kdA8uLchO
アナスタシア「あ、あの……」
平沢「おれたちのことなら気にしなくていい」
914: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:52:42.57 ID:kdA8uLchO
最初に影を見たのは中野だった。中野が永井に呼びかける。二人は銃口を影に向ける。
暗闇が下りた廊下をまっすぐこちらに向かってくる。影が近づいてくるにつれ、暗闇に慣れた眼が影の覆いを透かす。
915: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:55:53.29 ID:kdA8uLchO
アナスタシア「ケ、ケイが……!」
平沢「まだだ」
916: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:56:56.52 ID:kdA8uLchO
佐藤「プレイボール」
917: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/05/06(月) 22:59:19.99 ID:kdA8uLchO
『は、は、は』『は、は、は』『は、は、は』
『は、は、は』 『は、は、は』『は、は、は』『は、は、は』 『は、は、は』
『は、は、は』 『は、は、は』『は、は、は』
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